邦題:海を飛ぶ夢
原題:Mar Adentro
監督: アレハンドロ・アメナバール
Alejandro Amenabar
製作総指揮: アレハンドロ・アメナバール
Alejandro Amenabar
フェルナンド・ボヴァイラ
Fernando Bovaira
脚本: アレハンドロ・アメナバール
Alejandro Amenabar
マテオ・ヒル
Mateo Gil
撮影: ハビエル・アグィレサローベ
Javier Aguirresarobe
編集: アレハンドロ・アメナバール
Alejandro Amenabar
音楽: アレハンドロ・アメナバール
Alejandro Amenabar
出演: ハビエル・バルデム
Javier Bardem
ベレン・ルエダ
Belen Rueda
ローラ・ドゥエニャス
Lola Duenas
クララ・セグラ
Clara Segura
マベル・リベラ
Mabel Rivera
セルソ・ブガーリョ
Celso Bugallo
タマル・ノバス
Tamar Novas
ホアン・ダルマウ
Joan Dalmau
フランセス・ガリード
Francesc Garrido
製作:2004年 スペイン映画 (フランス・イタリア)
公式サイト:
http://www.mar-adentro.com
受賞:ゴールデングローブ賞 最優秀外国語映画賞
ベネチア映画祭2004主要3部門受賞
(審査委員賞・最優秀男優賞・外国映画賞)
ナショナル・ボード・オブ・レビュー外国語映画賞
ストーリー
1996年スペイン。四肢麻痺患者のラモン・サンペドロはベッドに寝たきりの生活を28年も送っている。絶壁からのダイビングをした際に脊柱を損傷した為である。ラモンは兄であるホセの一家に身を寄せ、介護を受けている。
不自由な体をもてあまし、意識だけを外の世界に馳せ空想にふける毎日。そんな毎日を30年弱も続けたラモンはある決断を下す。それは
「尊厳死」。自分の人生を自分の手で終わらせることによって、真の自由を手に入れたいと望むのである。彼は
「生きることは権利であって義務ではない」と訴え、自殺する権利を容認してくれるようにスペイン政府に請願する。しかしスペインの法律では自殺幇助は罪となる。
そんな彼のもとに二人の女性が 現れる。一人は、彼の闘いを支援する女性弁護士のフリア。もう一人は彼を生かそうとする村の女ローザ。二人ともラモンの人柄に触れ、彼との交流を深めていくうちに生きること、死ぬこと。愛することの意味を模索し始める。そしてラモン自身も自分の人生の真の意味を見出していく。このまま漫然と寿命が尽きるのを待つのが果たして人間らしい生き方なのだろうか、と。
感想
この映画は実話に基づいているのだそうです。実在の人物ラモン・サントロペの手記「Letters from Hell」(地獄からの手紙)を映画化したのが本作品。かなり衝撃的でした。
立場を置き換えてみるとこの問題の難しさが分かります。もし、自分の愛する人が「尊厳死」を望んだとしたら・・・。私はやはり反対すると思います。たとえ、介護が大変でも、生活が制限されようとも、生きていてくれるだけでいいから、と訴えると思うのです。でも、もし自分が不自由な生活を強いられたら・・・。しかも頭から下が全く動かないという状況に、陥ってしまったら・・・。死ぬことによって、自由を手に入れたいと望むことは大いにありうると思います。
医療が発達し、人は
「死ににくく」なりました。体そのものが
「機能」していなくても、人は生き続けることができます。でも、果たしてそれは、
「その人自身の人生」と言えるのでしょうか?人は人生で色んな選択を迫られますけど、自分の生死に関しては、何の権利も持っていないんですよね。はっきりとした意識を持った患者が、今時分のおかれている状況に限界を感じ、「尊厳死」を望むのは、許されざる行為なのでしょうか?それでもやはり尊い命は守るべきものなのでしょうか?色々と考えさせられました。