日本人街の一角にある資料館。
ブラジル日本文化協会ビルの7~9階を使って
日本移民の歴史を紹介していました。
南米を旅行して回ると日系人関係の記念碑や資料館は
よく目にするのですが、サンパウロのはその中でも最大規模。
世界中で最も多くの日系人が住む街だけのことはあります。
この資料館は1978年に移民70周年を記念して建てられたそうです。パネルや模型、ビデオなどを使って、1908年から始まった日本人移民の軌跡を紹介しています。
慣れない土地での厳しい生活を乗り越える為に当時の人々が考え出した生活用具。日本から持ってきた様々な日用品の数々。展示品はどれも興味深かったです。
実はブラジルに来るだいぶ前に垣根 涼介氏の
「ワイルドソウル」という作品を読んでいました。外務省、ひいては日本国にだまされた形で南米へ移住し、辛酸をなめた人間たちの復讐を描いたこの壮絶な作品を思い出しながら、これらの展示品を眺めると、何ともいたたまれない気持ちになりました。今のような移動手段もなければ情報もない時代に、日本から遠くはなれたブラジルの地へ家族を連れてやってきた開拓者達の勇気と忍耐力に頭の下がる思いでした。