カメルーン出身のヴォーカリスト/ベーシスト
Richard Bonaのコンサートに行きました。
新しいアルバム「TIKI」のワールドツアー。
一年以上かけて世界各国を回っているなかで
運良くウルグアイも入っていたんです。
でも実は彼のことはそれまで全く知らなくて
地元紙が大きな紙面を割いて紹介していたのにのせられただけ。
チケットを買ってから彼のことを調べてみたら
日本が世界に誇るトップ・サックス奏者渡辺貞夫さんと
コラボレーションをしていることが判明
2003年に出したWHEEL OF LIFEでは共同プロデュースをしていました。
当日コンサート会場は超満員。
ステージに立ったのはリチャードのほかに
ドラム、キーボード、サックス、パーカッション、リードギターの合計6人
しかもみんな出身国が異なる多彩な顔ぶれ。
少人数にもかかわらずその音の広がりはすばらしく
大きな力で会場を揺り動かしているようでした。
なんといって彼の演奏するベースのすばらしさ!
一つの楽器からあれだけ沢山の異なる音が出るなんて、本当に驚かされました。
彼の音楽はJAZZという枠組みにはとどまらなくて
カメルーンで生まれフランスで育ち現在はNYで活躍する
彼自身の生い立ちを反映しているようなユニークなサウンド。
今回のアルバムもニューヨーク、パリ、リオデジャネイロの3ヶ所で録音されたとか。
渡辺貞夫さんがリチャードのことを
「彼の動作は、それだけで音楽になってしまう」
と語っていますがまさにそのとおりでした。
面白いことに彼は色んな楽器の「音」を正確に再現し
それを「歌うこと」ができたんです。つまり彼自身が楽器。
しかも何かを演奏しているかのように体を動かすので
まるで私たちには見えない魔法の楽器を奏でているようでした、
体全身から音があふれ出てくるようでとても不思議な感じでした。
きっと絶対音感の持ち主なのだと思いますが
その「声」による演奏を何百人という観客の前で
一人でやってのけ、しかも全員を虜にしてしまう実力って。。。
「天才」という呼び名が本当にふさわしいアーティストでした。
一晩たった今でも彼の声が頭から離れません。
本当にすばらしい演奏でした。