木曜日の深夜にモンテビデオを発ち
仮眠を取りながらのんびり運転して
アルティガスに到着したのは翌日のお昼過ぎ。
本当は週末を利用した訪問にしたかったのですが
お店によっては閉まってしまうと言われ
どうしても貴石を加工しているところが見たかったので
あえて平日に行くことにしたんです。
アルティガスに到着するとすぐに
案内役のワシントンが待っていてくれました。
ホテルにも寄らずにそのまま
街から30分ほど離れた石の採掘場へ。
ここに積んである石はすべて瑪瑙(メノウ)です。
普通の石ころのように転がしてあるのでびっくりしました。
瑪瑙にもいろんな種類があり商品化できるものと
そうでないものがあるのだとか。
無造作に放り投げてあるように見えますが
実はちゃんとクラス分けされているんですよ。
これが断面図。色は灰色で地味ですが
加工がしやすく色もつけられるので扱いやすいとか。
適当な大きさに裁断して研磨すると驚くような美しさ!
さて、ここでアルティガスと貴石とのつながりをお話しましょう。
案内役のワシントン曰く、この地で初めて貴石を見つけたのは
ドイツ人移民のとある兄弟だったそうです。
二人が馬車でこのあたりを旅行していたら
車輪の調子が悪くなったので
一旦馬車を止め車輪を外し、
道端に転がっていた石を馬車の下に敷いて
馬車が傾かないようにし、車輪を点検していたのだとか。
すると馬車の重さに耐えかねて石が真っ二つに割れ
飛び散った破片を良く見ると瑪瑙だったとのコト。
彼らはすぐにこれらの石を広い集め近くのの港まで運び
船の重石として無料でドイツまで送ったとか(賢い!)
そしてドイツで研磨して商品化し丸儲け。
今でも彼らの子孫がここで事業を幅広くやっているそうです。
ちなみにウルグアイ国内でもこういった貴石が出てくるのは
ここアルティガスだけだそうです。
上の写真はアメジストの採掘現場。まるで洞窟のようです。
ダイナマイトを使って掘り進んでいて
中には十何キロもの距離を誇るものがあるとか。
こういった採掘現場で働いているのは大体ブラジル人。
平日は採掘場のそばにある小屋で寝泊りして
週末になると街中に戻り、その週掘った貴石の分だけ
歩合制で給料を受け取り家に戻って家族と過ごすそうです。
案内役曰く、宝石で有名なお隣ブラジル産のものよりも
ウルグアイ産のアメジストは色が濃くて品質が良いとか。
この地で採掘されるアメジストの9割近くはブラジルに買い取られ
彼らの手によって加工され
ブラジル製品として市場に出回っているそうです。