Fado(ファド)再びでご紹介したように
今回のイベロアメリカ会議はウルグアイで開催されます。
開催日は11月3日、4日と5日の3日間。
これに伴ってラテンアメリカ諸国及びスペインとポルトガルの歌手が
ウルグアイにやってきてコンサートを開いています。
イベロアメリカ会議関連では、
私たちにとって二つ目になる
コンサートに28日行ってきました。
歌うのはスペインのオシドリ夫婦
Ana BelenとVictor Manuel。
こちらのサイトでくわしく説明されています。
http://www.spainnews.com/musica/artista3.html
会場となった芝生の美しい広い公園では、
数日前から特設ステージが設けられ
広々とした会場に仕上がっていました。
当日、道路は会場の手前約1キロから
閉鎖され観客は歩いて会場入り。
野外コンサート会場なので立ち見席と
イス席との間にフェンスがあるくらいで
観客たちは思い思いの場所から彼らの歌を楽しみました。
ウルグアイはスペイン系移民の多い国です。
スペインでも特に北部の貧しい農民たちが多かったとのこと。
そんな事情を考慮してか、コンサートではは
スペイン北部の情景を歌ったものがいくつか盛り込まれ
ウルグアイ人たちは自分たちの遠い故郷に思いをはせているようでした。
披露されたのは彼らの20枚以上にも及ぶアルバムのメドレーが中心でした。
ステージに用意されたスクリーンにはそれぞれの歌が流行った当時の
スペインの様子が流れ、さながら近代史を眺めているようでした。
アナとマヌエルは1940年代から70年代までの
フランコの独裁政権時代のスペインを生き抜いた証人。
彼らはメッセージ性の強い歌を歌った活動家としての側面も持っているんです。
日本で言うところの加藤登紀子・藤本敏夫夫妻のようなものでしょうか。
今回のステージでも表現の自由や平和を求める歌が多かったです。
ウルグアイも73年から85年まで12年間の軍事政権を経験しています
アナやマヌエルと同じ世代のウルグアイ人は青春期を軍政下で過ごしています。
彼らの歌に当時の自分を重ね合わせているのか、会場は合唱の渦でした。
約三時間のコンサートでトークはほとんどなく、彼ら二人はずっと歌っていました。
年齢を考えるとものすごいバイタリティー。本当にすばらしいステージでした。
でも、興奮冷めやらぬ気持ちで帰路に着きながらふと思ったこと。
彼らの歌、メッセージが伝わるのは南米では限られた国なのだろうと・・・・。
先住民の多い中米あたりではスペインは「侵略者」のイメージが強く
ウルグアイ人の抱く「望郷」のイメージからはかけ離れているのです。
中南米全体を通して軍事政権を経験した国は多いですが
彼らが「表現の自由」や「平和」を訴えたところで
「宗主国」であるスペインから「搾取」された経験を持つ
中南米諸国には受け入れられないだろうなと・・・・・。
いずれにして昨年からスタートした約一年にも及ぶ彼らのツアーは
イベロアメリカ会議開催国であるウルグアイで幕を閉じました。
すばらしいステージに感謝!そしてお疲れ様でした!