今日バスに乗っていたときのこと。
杖をついた年配の女性がバスに乗ろうとしていました。
ただ段差が大きく、手すりを持とうにも
杖が邪魔をしてしまい、なかなか思うようにいかないようでした。
私は搭乗口のそばに腰掛けていたので
おばあさんの横をすり抜けいったんバスを降り
後ろから彼女の背中を持ち上げるように押しました。
でも、このおばあさんちょっと
「ふくよか」な方だったので
私一人の力ではどうにもなりませんでした。
見かねた運転手がサイドブレーキをかけて
搭乗口まで歩み寄り、ステップの上からおばあさんを引っ張りました。
二人で力をあわせて、何とかおばあさんをバスに乗せたのですが
信号が変わってもバスが進まないので後ろの車はしびれを切らし
ものすごい勢いで
クラクションを鳴らしてきました。
すると席に着いたおばあさんに向かって運転手が一言。
「杖を借りてもいいですか?」
おばあさんは不思議そうな顔をして持っていた杖を渡しました。
私も事の成り行きが飲み込めず、運転手の姿を目で追いました。
運転手は杖の持ち手のほうを外に向けて
運転席の横の窓から杖を外に突き出し
後ろの車に向かって振って見せたのです。
「「これ見りゃ分かるだろ~ちょっと待ってくれよ~」
このユーモラスな運転手にバス全体の雰囲気が和みました。