ウルグアイ産?アルゼンチン産?でご紹介した
ガルデル没後70周年記念のタンゴコンサート。
この中で、アルゼンチンとウルグアイを対比しているような
面白い出来事がありました。
それが起こったのはショーの半ば。
タンゴのダンサーが舞台に立ったときでした。
最初に登場したカップルはものすごく派手な振り付け。男性が女性を軽々と持ち上げて、クルクルとまわしたかと思うと、女性は前後に開脚して着地。忘れずに営業スマイル。
ボリショイサーカスもビックリのステップでした。当然のことながら客席からは拍手の嵐。
次に登場したカップルは打って変わって地味なステップ。女性が地面を離れることは一回もありませんでしたし、客席を見ることもなし。眉間にしわを寄せて
憂鬱そうにステップを踏んでいます。衣装も露出が少なく、そのまま街中でも歩けそうな雰囲気。
実はこれってアルゼンチンのタンゴと
ウルグアイのタンゴの違いそのままなんです。
前者が華やかなアルゼンチンの都会的なタンゴ。
後者は伝統にのっとった保守的なウルグアイのタンゴ。
(実際にダンサーがどの国出身かは分からないのですが)
この2組が
同じステージで一緒に踊ったんです。
同じ「タンゴ」を踊っているとは思えないほどの違い。
かたや
空中曲芸を披露している中で
もう片方は深刻に
哲学でも話し合っているよう。
さて、踊り終えて各カップルが前に出てお辞儀。
まずはアルゼンチン風カップル。
はちきれんばかりにこだまする拍手にご満悦の様子。
次にウルグアイ風カップル。
ここで、なんと拍手の量が前者を超えてしまったんですね。
「よく頑張った!!」という
労いの拍手に聞こえたのは私だけだったのでしょうか・・・・。
かく言う私もウルグアイ組に精一杯の拍手をしていたのですが・・・・。
やっぱりウルグアイ人の観客は
このカップルに自分達を投影したのでしょう。
「これでもか」というほどの拍手を聞きながら
思わず苦笑いしてしまいました。