11月20日、
12月1日に続き
今回の「今日は何の日?」は12月3日です。
実はウルグアイでは12月3日は
「カンドンベの日」。
議会の承認を得て、今年から新たに登録されました。
まずはカンドンベのご紹介。
このブログでも
カンドンベって知ってますか?や
ウルグアイの黒人音楽などで取り上げてきました。
カンドンベとはアフリカから奴隷として渡って来た
黒人がルーツのウルグアイ民族音楽で、
タンポールと言う名前のパーカッションで演奏されます。
斜め掛けした大きな太鼓を、右手のスティックと
左手は素手で叩く独特のスタイルで
タンボールにはチコ、レピーケ、ピアノと3種類大きさがあり
通常10~25人くらいのグループで演奏されます。
伝統的なカンドンベはメロディもなく、
他の楽器は一切入らないリズムだけの音楽。
カーニバルの到来を告げるLlamadaのパレードで演奏されます。
カンドンベのリズムはこちらで体験してみてください。
カンドンベはウルグアイの民族音楽であるのに
そのルーツは
人口の1割にも満たない黒人。
実はこのマイノリティーの黒人達が
ウルグアイにもたらした社会的、文化的影響は大変大きく
この国のアイデンティティーの形成に大きな役割を果たしているのです。
そしてウルグアイにおける黒人の役割を再評価しようという動きの一環が
上でご紹介した「カンドンベの日」なんです。
発起人は
Edgardo Ortuñoという黒人与党議員。
彼は11月上旬に案を国会に提出し、
他の議員の理解と協力を求めました。
案は可決され、彼の計画通り
12月3日に国会議事堂前の広場で
第一回の「カンドンベの日」が盛大に祝われました。
当日彼は他の黒人たちと一緒に
楽しそうにタンボールを叩いていました。
では、なぜ12月3日なのでしょうか?
理由は1978年の独裁政権化のウルグアイにまでさかのぼります。
この年の12月3日に市郊外に位置する
Medio Mundoと呼ばれる黒人の
共同住宅を政府が強制撤廃し、
それに反対した住民が抗議の意味を込め
カンドンベを演奏したことに由来。
当時の黒人たちは市の中心部に
住むことを許されておらず
住居に関しても様々な制約がありました。
左の写真は当時のMedioMundoの様子。
今でこそ黒人も白人も混血も関係なく、カンドンベの演奏が行われていますが
黒人に対する差別偏見には現在に至っても根強いものがあり、
実は今回の「カンドンベの日」の正式名称は
"Día Nacional del Candombe,
la Cultura Afro Uruguaya y la Equidad Racial"で
「カンドンベ、ウルグアイにおけるアフロ文化、ならびに人種平等の日」となります。
「カンドンベ」という共通の音楽を通して、人種差別のない
平等な社会を築いていきたいOrtuño議員の願いの表れなんですね。
式典当日、国会議事堂にはごらんのような人だかり。
地方からも沢山のカンドンベのグループが集まり大変見ごたえのある
すばらしい演奏を聞かせてくれました。
カンドンベに関してはこちらのサイトがお勧めです。
http://www.candombe.com/