由緒正しいソリス劇場に夫婦揃って出掛けたのは良かったのですが
私はこの劇場でものすごいカルチャーショックを受けました。
どれくらいのショックを受けたかを知っていただく為には
私の生い立ち(?)を知っていただく必要があります。
当ブログの
最初の挨拶でも少し触れているのですが
私は10年ほど前にオーストリアのウィーンに3年間住んだ経験があります。
「音楽の都」として有名なこの街において
ウィーンフィルやウィーン少年合唱団、
様々なオペラを楽しめたのは大変貴重な経験でした。
===============================
話をソリス劇場に戻しましょう。
まず、劇場に入ってみて驚いたのが観客の服装。
若者だけでなく大人までもがジーンズ姿。
まるで近くのスーパーに行くかのようないでたち。
劇場でのジーンズ姿はウィーンでは
「タブー」に近いものがあり
そんな恰好で行こうものなら、
周囲から冷た~い視線を浴びることになります。
当時中学生だった私ですら
母親のパンプスを借りて
ワンピースを着て行ったくらいですから。
演奏が始まったらもっとビックリしました。
最初に登場したのがジーンズにTシャツ、
スニーカー姿の男性二人。
後で登場したウルグアイ交響楽団の演奏家達は
さすがにネクタイを着用していましたが・・・。
最初に登場した「ラフな恰好」のふたりに
何故か「ピエロ姿」の3人組を加えた5人と
交響楽団とのコラボレーションがラストを飾ったのですが
いわゆる「交響楽団」が演奏する「交響楽」とは全く異なりました。
加えて両者の服装のミスマッチが何とも言えませんでした。
そんな私の動揺にはお構いナシに劇場は拍手喝采の大騒ぎ。
スタンディングオベーションまで始まりました。
しばらくするとその拍手に応えるかのように
ドンタコスのおじさんのような恰好をした集団
(演奏をしていたのとは別の人)が登場し
カンドンベの演奏を始めたんです。
(映像は参考用。実際は大きな麦藁帽子)
すると、観客の中にはリズムに合わせて
踊りだす姿がチラホラ・・・・。
同じボックス席にいたウルグアイ人夫婦は
「これこそ南米のコンサートよ!」と
夫婦揃って大はしゃぎでした。
確かに演奏そのものは独創性があって
面白かったのですが
私にとってはカルチャーショックが大きくて
訳が分からないまま帰宅しました。
「やっぱりここは南米だったんだ~」